岡山ママブロガーのマイコです。
先日『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』という本を読みました。
親だけでなく子どもの教育に携わる人、大人にとってもこの本はすごく勉強になる本です。
※本書の内容だけでなく、私なりの理解も加えています。正しくは本書を読んでくださいね。
AI vs.教科書が読めない子どもたち
AIはどこまで行っても計算機。
AIにできるのは四則計算だけ。
数学の言葉(数式)に置き換えることができることだけ表現できる。
- 論理
- 確率
- 統計
人間の知能の営みをこの3つで完全に表すことは不可能。
意味は表現できないから、数学には意味を記述する方法がない。
人間には簡単にわかる、
- 「私はあなたが好きだ。」
- 「私はカレーライスが好きだ。」
この本質的な意味の違いを数学で表現するには非常に高いハードルがある。
「意味」は観測不能。
確率過程だけで成り立たないのが言葉。
発話には意図があり、それに応じるところには意味の理解がある。
記号の羅列のみではない。
数学で表現できないから、完全なる翻訳機というものは実現できないだろう。
音楽や絵画の評価も主観的なものでAIには本当の意味で生み出すことはできない。
求められるのは、自ら考えて価値を生み出せる人材
- 電話販売員(テレマーケター)
- 不動産登記の審査・調査
- 手縫いの仕立て屋
- コンピューターを使ったデータの収集・加工・分析
- 保険業者
- 時計修理工
- 貨物取扱人
- 税務申告代行者
- フィルム写真の現像技術者
- 銀行の新規口座開設担当者
- 図書館司書の補助員
- データ入力作業員
- 時計の組立・調整工
- 保険金請求・保険契約代行者
- 証券会社の一般事務員
- 受注係
- (住宅・教育・自動車ローンなどの)融資担当者
- 自動車保険鑑定人
- スポーツの審判員
- 銀行の窓口係
- 金属・木材・ゴムのエッチング・彫刻業者
- 包装機・充填機のオペレーター
- 調達係(購入アシスタント)
- 荷物の発送・受け取り係
- 金属・プラスチック加工用フライス盤・平削り盤のオペレーター
※p.73より引用
- レクリエーション療法士
- 整備・設置・修理の第一線監督者
- 危機管理責任者
- メンタルヘルス・薬物関連ソーシャルワーカー
- 聴覚訓練士
- 作業療法士
- 歯科矯正士・義歯技工士
- 医療ソーシャルワーカー
- 口腔外科医
- 消防・防災の第一線監督者
- 栄養士
- 宿泊施設の支配人
- 振付師
- セールスエンジニア
- 内科医・外科医
- 教育コーディネーター
- 心理学者
- 警察・刑事の第一線監督者
- 歯科医
- 小学校教師(特別支援教育を除く)
- 医学者(疫学者を除く9
- 小中学校の教育管理者
- 足病医
- 臨床心理士・カウンセラー・スクールカウンセラー
- メンタルヘルスカウンセラー
※p170より引用
この先求められるのは意味を理解する人材。
このリストに載っていたら自分は安心だからと安堵できるというものではない。
社会全体がAIにとってかわられてあぶれてしまった人を吸収できないと、サービスを購買できる人がいなくなり、AI恐慌時代が到来する。
ではどうすればいいのか…。
このリストに一喜一憂しても何の解決にもなりません。
課題は楽観や悲観するためにあるのではなく、対処するためにあります。
知らないふりをしてそのまま過ごしても、知って対処してすごしても、やがて到来する事実は変わりません。
あらゆることが目の前におこっても、そこから新しい一歩を自ら踏み出す。
必要なのは、いつも解決策です。
AIに教えるにもAIを利用するにも、書いてあることの意味を理解できないとAIを扱えない。
感情や主観だけで判断するのでは、AI以下になってしまいます。
読解力を高めよう
今の子どもたちの読解力は危機的状況。
教科書に書いてあることを本当に理解できているのかがそもそも怪しい。
教科書や問題を正しく読める力は必須の能力。
現状ではそれを十分に育てる教育になっていない。
最近導入されたアクティブラーニングは、7割が正解を理解していないと絵にかいた餅。
声の大きい意見に安易にのっかり、それを正しいものとして片づけてしまい、何の解決にもならない危険性がある。
話し合いの後、正しい情報を提供して共有しないと、訳の分からないことで満足して終わる子に育ってしまう。
客観的に判断できないと、AIは扱えない。
AIは仕事を効率化するツール。
それを扱える読解力は最低限必要で、AIと何ら変わりのない人になったのではこの先就ける仕事がない。
- 読書の習慣
- 習い事などの学習習慣
- 得意科目
- スマホの使用時間
- 新聞の購読の有無
- ニュースを知る媒体
- 性別
以上のことは、読解力との相関関係は認められなかった。
ではどうすればいいのか。
それは今のところまだこうすればいい!という便利な方法はない。
- 1を聞いて10を知る能力や応用力
- フレームに囚われない発想力
世の中の困ったことを見つけ、それを解決できる新しいサービスを生み出そう!
0か1かで割り切れないもの
- 善か悪か。
- 白か黒か。
- 真か偽か。
AIは、2元論の世界。
何かにつけ、人も判断を加えます。
判断は、過去の経験や文化、慣習、常識、数値、その人が今まで積み重ねてきた過去の総体から下されます。
客観的な判断はAIにもできます。
AIにできることは、最低限人に必須の能力です。
客観的に読みつつ、人だからこそ理解できることを想像できる力が必要です。
- 悪でもあり正でもある。
- 白であり、黒でもある。
- 偽の中に真がある。
人は、2元論ではかたづけられない世界を生きています。
それを理解できるのは人間だけです。
人には理屈では片づけられない感情があり、記憶があります。
音楽や絵画が人を引き付けるのは、機械的に説明できず、感情にダイレクトに伝わり響くから。
すべてを損か得か、数字の高い低いか、合理性でしか判断できない人、マニュアルに従うことしかできない人はAIと同じです。
感情だけで右往左往する人も、AIに太刀打ちできません。
AIを活用し、2元的な判断をせず、その間にあるあいまいさや背景に想いを馳せ、想像力を働かせることができる。
そんな柔軟な心や人間性が、これから先求められていく時代なのかなぁと思います。