ジムにいるセクハラ爺の話

ジム

今日はジムにいるセクハラ爺さんの話。

ジムに通い始めて1年9か月ほどたった。

ジム通いの面倒な悩みタネの一つは間違いなくセクハラだろう。

男性だって例外ではないが、女性にとってセクハラは身の危険を感じる深刻な問題だ。

人としての尊厳にかかわる。

 

ジムって、ひとつのコミュニティで、職場みたいにいつも同じ顔触れの人と顔を合わせる。

私はいつも、挨拶と軽い会話程度で誰ともあまり深入りしないスタンスをキープしている。

その距離感が、私には一番心地がいいからだ。

友だちが後から入ってきたので、その子とは楽しくおしゃべりをしているが、基本的には一匹。

だからといって周りと険悪な関係ではない。

みんな優しいし、可もなく不可もなく、ナチュラルに過ごしている。

 

昨日、ヨガのレッスンがあった。

スタジオレッスンには入場制限があるので、列に並んで番号札をとって参加するシステム。

その列に並んでいると、いつもヨガで一緒になるおばさまと、セクハラ爺がやってきた。

セクハラ爺が、

「きれいな足じゃな!」

と声をかけ、そのおばさまの太ももを両手でつかんだ!

このセクハラ爺は、あらゆる人にこういうことをしている。

しかも、みんな、それを知っている。

 

スタッフだってセクハラ爺が迷惑行為をしていることはよく知ってるのに、毎回放置。

やられた方はいつも泣き寝入りだ。

私も入会当初、一回やられた。

その時はあっけにとられて反撃できなかったが、翌日からハッキリとありありと態度に出すことで2回目以降は阻んできた。

この爺は、みんな本当に迷惑しているのに、反省する様子もなく繰り返す。

 

目の前で、触られたおばさまは、もちろん嫌がっていた。

2週間前に、また別のおばさまからも被害を伝えられたばかりだ。

爺は私のことは多少警戒しているので、そのおばさまと爺の間に入ってレッスンを受けたりしていた。

 

今回、私の目の前で起きたセクハラ。

看過できなかった。

「○○さん、そこがラインですよ。絶対ダメですよ!触るのは絶対に、ダメ!」

爺は、急に注意されてびっくりしたのか顔を真っ赤にして口を震わせながら、

「ケチ!」

と言い放った。

セクハラをするような人のレベルは知れているので、そんなことは想定済みだ。

「そういう問題じゃないです!みんながここで気持ちよく過ごすために、触らないっていうのは最低限のラインですよ。」

あろうことか、そのセクハラ爺は、私に握手しろとしつこく手を伸ばしてきた。

絶対に接触しないように避けながら、

「私に触ったら、即刻、訴えるからね!」

怖い顔でハッキリ言ってやったら手を引っ込めた。

周りにいた女性陣はみんな大きくうなずき、

「そのとおりよ!」

と賛成していた。

 

このセクハラ爺は、このジムができた当初から何十年も通い続けている主のような存在。

以前、この爺を怒らせて通えなくなった会員さんが何人もいるらしい。

だけど、そんなことは一切関係ない。

おかしいことはおかしいのだ。

 

おばさまがたは、自分はもういい年齢だし、若い子みたいに「キャー!」とか言えないし、どうしたものかと本当に困っていたのだと教えてくれた。

「体のどこであろうと、やっぱり触られるのは絶対にアウトよね!?」

とおっしゃるので、

「当たり前ですよ!絶対にアウトです。」

とお伝えした。

「今日はありがとう、嬉しかった。」

「私も前にされて嫌だったことがあるので。」

と、お互いの被害を分かち合ってその日はお別れした。

 

今日、別のレッスンでまたその爺に会ったが(爺は常にジムにいる)今のところ嫌がらせもなく普通だ。

私も罪を憎んで人を憎ます。

爺本人にたいする怒りは別にない。

ただし、セクハラ行為は絶対に許さない。

 

おばさまがたは、プールにもまた別のセクハラ爺がいると言っていた。

水着の時にセクハラだなんて、ひどすぎる。

スタッフも気がついているはずなのだ。

なんでそういう人をしっかりと見はって即刻注意しないのか。

なぁなぁに済ませていいことと悪いことがある。

同じ男性陣にとってもセクハラするような人がいたら迷惑しているはずだ。

ほとんどの紳士的な会員さんだって、男性ってだけで居心地が悪くなる。

まともな人たちの居心地が悪くなって、明らかに周りにとって迷惑な人が野放しにされている。

 

なんだかどこかの国の政治みたい…。

縮図なんだろうなぁ…。

徳を積んで死のうとか、そういうこと思わないのかな?

それが不思議だわ。

自分さえよければいいような人たちの理不尽をまかり通らせてはいけない。

声をあげるべきはあげて、みんなが気持ちよく過ごせるジムと世の中になればいいと切に思う。