「一期一会」とは。渡辺和子さん死去。ご冥福をお祈りいたします。

愛をこめて生きる


「一期一会」

渡辺和子さんと私

私の尊敬する人の一人、ノートルダム清心学園理事長を務められ、ベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」の著者:渡辺和子さんが12月30日にお亡くなりになった。

教員一年目の初任者研修で、幸運にも岡山に所縁のある渡辺和子さんの講演を聴くことができた。その佇まい、口調、存在感。すべて同じ人間とは思えない気高さを感じた。直接話などできなかったれど、私の中では強烈な出逢いだった。

講演の内容の詳細はもう覚えていないけれど、渡辺和子さんに魅了され、すぐに本を読み漁った。

年末に読んでいた本からブログに引用した言葉。

「神様、私にお与えください。

自分に変えられないものを受け入れる落ち着きと、

変えられるものを変える勇気と、

そして、その二つを見分ける賢さを。」

『ニ―バーの祈り』は、たまたま読み返していた渡辺和子さんの本から引用したものだった。この本を読んでいたころ、お亡くなりになったのかと思うと、なんだかメッセージを受け取ったような気持ちだった。

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渡辺和子さんはキリスト教徒のシスターだ。詳しくはリンクのウィキペディアでも見てもらえばいいんだけど、その一生は決して平たんな道ではなかった。

渡辺和子さんの本はどれも素晴らしくて、学ぶことだらけだけれど、先日読み返していた時に学び直した気持ちになったことを少しだけ紹介したいと思う。

私は「一期一会」という言葉がずっと嫌いだった。なんだか、せっかく出会えたのに、寂しい感じがするから。素晴らしい出逢いではあるけど、短期間で終わり、ずっと続いていく縁ではない。そんな冷たい意味のように受け取っていた。だけど、「一期一会」とは、そういう意味ではなかったことが分かった。私はその意味を、誤解していた。

渡辺和子さんの「一期一会」についての記述。(以下部分はすべて『愛をこめて生きる』より引用)

※「この人と、この機会を外して二度と逢えないかも知れない」という危機感からくる出逢いのありがたさを表すものであろうし、明日の生命の保証のない私たちにとって、それは決してオーバーな考え方ではないのである。

「死は盗人のように来る」と聖書に書かれている通りで、来ることがわかっていれば、皆用心しているだろうに、死は、思いかけない時、ひそやかに訪れてくる。だからいつも警戒していないといけないのに、私たちはあまりにも無防備に生きている。過ぎていく一日の貴重さ、一つ一つの出逢いの大切さを忘れがちに生きているということなのだ。※

渡辺和子さんは2・26事件で突然父親を殺された壮絶な過去をもつ。前の夜まで一緒にお風呂に入って父子で話をしていたのに、翌日にはもういない。そんな経験がおありになるから、この「一期一会」の言葉の持つ真意も痛いほど理解されてのお言葉だと思う。

他にも記述がある。「相性」についての記述の中に書いてあった。

※「出逢い」とは美しい言葉であり、多くの場合、相手との最初の邂逅をさして言われる。「あの人と、あの時に出逢っていなかったら今日の私はない」それも確かにそうであろう。しかし、最初の出逢い以上にたいせつなものは、同じその人と、絶えず新たに出逢うということではないだろうか。馴れてしまわないということ。それは「一期一会」の心構え、緊張感と言ったもよい。

相手の中にも、自分の中にも、「未見の我」とでも言うべき未知の部分があることを忘れず、いつも新鮮に、心を込めて人と出逢う時、それは、はからずも「いい出逢い」を作っていることになるのである。※

毎日顔を合わせている人でも、明日また会えるとは限らない。いつ、「一期一会」の瞬間になってしまうのかわからない。そんな緊張感をもって人と向かい合うこと、一日、一瞬を大切に生きる事。そのことを説いていらっしゃるんだと思う。なかなか現実にその通りにできないけれど、頭の片隅にそんな意識をもって人や時間と向かい合うことができれば、その質を高めることができるかもしれない。

※「求めよ、さらば与えられん」というみことばは決して、求めたものが与えられると約束していない。私たちは往々にして”欲しいもの”を願っている。しかし神が与え給うのは、私たちが、”必要としているもの”であり、そこ神の愛がある。

何を与えられようと、それを”祝福”として受け取れること、それが祈りの真に求めるべき果実ではないだろうか。※

(上記で囲った部分はすべて、『愛をこめて生きる』より引用。)

2017年。渡辺和子さんはもういらっしゃらない。また講演を聴きたいな。何となしに思っている間に、あの新採用研修の講演会が、私と渡辺和子さんとの「一期一会」瞬間になってしまった。

話を聴きたい人、会いたい人には積極的に自分から行動すること。きっとその機会はたくさんあったはず。いつ最後の時が来るかわからない。

「一期一会」

素晴らしい方がまたこの世を去ってしまった。でも、残されたメッセージは、私をはじめ、多くの人の心の中に確実に息づいている。

心からの感謝の気持ちを込めて。ご冥福をお祈りいたします。

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